国際課税ルールで最低法人税率を15%とすることで各国の合意を得たことは、ジャネット・イエレン米財務長官(74)にとって初戦の勝利となった。そして、ジョー・バイデン米大統領が目指す国内主要課題の実現に向けても道を開いた。多国籍企業による租税逃れ対策に向けた数年越しの協議を復活させ、合意にこぎつけたのは、イエレン氏の手腕によるところが大きい。交渉関係者はそう口をそろえる。今回の合意は、国際課税制度における1世紀ぶりの大改革への序章となる可能性を秘めている。イエレン氏は今後、具体的な税率や合意の実行方法を巡り、複雑な交渉を乗り越えなければならない。協議はまず、9日からイタリア・ベネチアで始まる20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議で始まる。一方でイエレン氏は、米議会にも合意を売り込む必要がある。国際合意を米国の法律に落とし込むには、民主党議員全員に加え、場合によっては共和党の一部からも支持を確保しなければならない。
国際課税合意を得たイエレン氏、次の難関は議会
共和党はバイデン政権の増税計画に反対
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