【ワシントン】国際課税ルールで最低法人税率を15%とすることで各国の合意を得たことは、ジャネット・イエレン米財務長官(74)にとって初戦の勝利となった。そして、ジョー・バイデン米大統領が目指す国内主要課題の実現に向けても道を開いた。  多国籍企業による租税逃れ対策に向けた数年越しの協議を復活させ、合意にこぎつけたのは、イエレン氏の手腕によるところが大きい。交渉関係者はそう口をそろえる。今回の合意は、国際課税制度における1世紀ぶりの大改革への序章となる可能性を秘めている。  イエレン氏は今後、具体的な税率や合意の実行方法を巡り、複雑な交渉を乗り越えなければならない。