統一部の廃止を訴え
文政権の対北政策にノー

 李俊錫氏は7月9日、CBSラジオの番組に出演し、「保守陣営はもともと小さい政府論を扱う。我が国に17~18部処(省庁)があるが、他国に比べて多い。女性家族部や統一部などをなくそう」と述べた。

 李俊錫氏は「外交と統一の業務が分離しているのが非効率」「外交の大きな枠の中で統一安保がある」と指摘した。李明博政権もこれを推進してきた。李明博大統領は筆者の見るところ、最近では最も地政学に見識のある大統領である。

 これまで韓国の外交は常に北朝鮮を念頭に置いて展開、外交全般と対北政策は一体であった。統一部があるため、米国の北朝鮮特別代表が訪韓した時にも、外交部とは別に統一部の長官等・次官とも会談した。そうしなければ、韓国と対北政策について会談したことにならないからである。

 李俊錫氏は「南北関係は統一部が主導したのではなく国家情報院や青瓦台が管理し、統一相は記憶に残らないことをしてきた」と述べた。今の李仁栄(イ・イニョン)統一相はどうか。

 北朝鮮当局の主張を代弁するだけで韓国の外交統一安保政策を総合的に遂行したことはない。北朝鮮の金与正(キム・ヨジョン)朝鮮労働党副部長が対北ビラ散布を禁止する法案を作れと言えば、韓国の憲法・国際人権規約に違反した法律を作成した。対北朝鮮制裁を緩和しよう、米国の目を逃れて潜り抜けようと画策する。北朝鮮は非核化の意思があると偽の情報を流す。李仁栄は韓国の統一相といえるのだろうか。

 李俊錫氏の先述の発言に対し、李仁栄統一相は直ちに反発し、「統一部の廃止に関連する李代表の発言が国民の力の党論なのか問いたい」「党論なら極めて遺憾」と反論した。