私の友人に、ビジュアルビジネスプロデューサーの豊田ふみこさんという人がいます。ご自身のブランドを立ち上げられ、お洋服のデザインも手掛けられています。私も、ここ5年ほどふみこさんにお世話になっていて、年に何度か、お洋服を選んでもらっています。

 ふみこさんにお洋服の相談をすると、「ゆう子さんには、こういうのがいいと思うんだよね」と、絵を描いてくれることがありました。まさに、ファッションデザイナーが描くようなデザイン画です。それを見て「すごい!」と驚いたら、こんなことを言っていました。

「人からそう言われたとき、私もびっくりしたの。みんなできると思っていたから」

 話を聞くと、子どもの頃から、「こんなお洋服があったらいいな」「あの人には、こういうのが似合うだろうな」と、頭の中で想像したデザインを紙に描いていたのだそうです。そのくらいファッションが好きで、大学生や社会人になると、稼いだお金は全部ファッションにつぎ込んでいたのだとか。

 そんなふうに、自分の「普通」や「当たり前」が、人にとってはそうではないことは案外多くあるのです。ですから、あなたにとっての「普通」や「当たり前」を、ぜひ一度疑ってみてください。当たり前にできてしまう中にこそ、人とは違う何かが隠されていることが往々にしてあります。

「私って変?」も武器になる時代

 武器になるのは、決して良い部分だけではありません。人から「変わっている」と言われることだったり、「これを人に知られたらヘンに思われる……」と、ひた隠しにしてきたものの中にもあったりします。

 例えば、近年よくメディアにも取り上げられている「HSP」。これは、人の気質を表す名称で、感じる力が強く、繊細な人のことを指します。最近では「繊細さん」と言い表されることも多く、近年本もたくさん出ていますよね。