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レビュー

「起業」というと、カリスマ的な人が「あらゆるリスクを覚悟した上で行う、一世一代の大勝負」というイメージを持つ人が多いと思われる。が、著者が提唱する「地味な起業」は、そういった「派手な起業」とは正反対の働き方といえる。「地味な起業」とは、普通の人がコツコツ仕事をこなしながら経済的に自立していく働き方のことだ。ポイントは、世の中にあふれている「地味な困り事」に着目することである。

 著者自身がこの働き方を見出すまでの道のりは、ストレートなものではなかった。会社員として勤め、その後起業して失敗し、試行錯誤が続く日々のうちに「困っている人を助けることでもお金を稼ぐことはできる」ということに気づいた。そして地味なサポートで収入を得る経験を繰り返すうちに、「好きなこと」「得意なこと」を見つけ出せなくても、応援したい人を手伝うことでも起業はできると確信したのだった。

 本書『僕たちは、地味な起業で食っていく。 今の会社にいても、辞めても一生食いっぱぐれない最強の生存戦略』には、著者が自らの経験から手にした、「地味な起業」の実践メソッドがかなり具体的に記されている。実際にどのくらいの難易度のどんな仕事があるのか、どんなソフトやツールを使えばいいか、仕事単価はどれくらいか、といったことまで書かれているので、もともと低い「地味な起業」のハードルが、さらに低く感じられるだろう。