産業界はアフターコロナの好況を待望していますが、サラリーマンの先行きは長い目で見れば不透明です。そんな中、リスクを回避し、やりがいを確保する手段として、会社を辞めずに好きなことをビジネスにする「週末起業」への関心が高まっています。幸い、国や企業も副業を推奨しています。リモートで時間の融通もしやすくなるなど環境が整った今こそ、一考の余地があると思います。(経営コンサルタント 藤井孝一)
好きな日本酒で継続的に
月10万円程度の副収入
Hさん(40代・女性)は、普通の会社員ですが、実は二足のわらじを履いています。外資系の金融機関で総務の仕事をしながら、終業後に日本酒の楽しみ方を啓蒙しています。もともと日本酒が好きで、趣味が高じて利酒師の資格を取得しました。この資格を生かそうと、スクールの仲間と日本酒と料理を楽しむ会を定期開催していました。
やがて「日本酒を学びたい」「おいしいお酒と料理を楽しみたい」というビジネスパーソンを中心にいろいろな人が集うようになりました。そこで、ビジネスにすることを考えました。
単なる飲み会ではお金をいただけないので、料理人や酒販店主、酒造業者などを講師に呼んでレクチャーをしてもらった上で、お酒と料理を提供するようにしました。
つてをたどって希少なお酒を手配したり、お酒に合うメニューをアレンジしてもらうなど付加価値をつけて喜んでもらっています。最近は、コロナ禍で集まりにくいですが、Zoomと宅配を駆使して乗り切っています。