ワクチン接種により、新型コロナウイルス感染による重症化や死の脅威は薄れている。だが、そこまで深刻ではないものの、さまざまな後遺症に長期間悩まされる「ロングコービッド」に陥るリスクは依然くすぶっている。コロナ後遺症に最もぜい弱だとみられているが、変異ウイルス「デルタ株」の感染から守られていないワクチン未接種の若者だ。米国では目下、感染者が増加傾向にあり、その8割余りをデルタ株が占める。ロングコービッドとは、感染から数週間、あるいは数カ月後も続く症状を指す。専門家の推計では、軽症や無症状の人も含め、感染者の10~30%程度とされる。中には1年以上も症状が続く場合もあるという。インペリアル・カレッジ・ロンドンのダニー・アルトマン教授(免疫学)は「死ほどショッキングではなくても、無視することは危険だ」と話す。「医療制度への負担または費用の観点から見ると、自己免疫疾患であるリウマチ性関節炎に匹敵する大きな問題になりつつある」
ワクチン接種の進展、次の課題はコロナ後遺症
感染者の約3割がさまざまな後遺症に苦しむ
有料会員限定
あなたにおすすめ