ライドシェア大手の滴滴出行(ディディチューシン)の転落劇を発端とする中国IT(情報技術)企業の急落を受け、反発狙いの買いを入れた投資家はここにきて、また痛い教訓を学んだ。米連邦準備制度理事会(FRB)や米政府と戦うことは通常なら「負け戦」だ。だが習近平国家主席による新たな専制時代に、往々にして不透明かつ急展開をみせる規制当局の意向に逆らうことは「自殺行為」となるだろう。中国ハイテク株はすでに、反トラスト法(独占禁止法)違反やデータの安全性を巡る当局の締め付けから制裁を受けている。そこに強烈な売りが再びほぼすべての銘柄を襲い、ここ数日で数十億ドルの時価総額が吹き飛んだ。今回の売り材料は、学習塾など急成長している教育産業をほぼ壊滅状態に追い込むとみられる新規制だ。同業界への規制強化は長らく想定されていたものの、当局による弾圧の規模とその深刻さは投資家の不意を突くものだった。ゴールドマン・サックスは2025年における学習塾の市場規模見通しを85%引き下げた。オンライン教育を展開するニュー・オリエンタル・エデュケーションの株価は規制強化が最初に伝わった23日以降、7割値下がりしている。