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製薬大手の業績は、主力薬の成否とコスト構造で明暗が分かれている。武田薬品工業やアステラス製薬、中外製薬が利益を伸ばす一方、第一三共やエーザイは一過性費用や拡販費用が重荷となっている。今回はこれら大手5社を取り上げる。5社の中で、世代間の「年収格差」はどうなっているのか。特集『5世代格差の残酷!主要100社26年版「20年間年収推移」氷河期、バブル…どの世代が損をした?』(全39回)の#12では、過去20年間の推移を10年刻みにして、5世代別の平均年収と主要100社内のランクを独自試算した。その結果、武田、アステラス、第一三共は氷河期世代が割を食う構図が浮かび上がった。(ダイヤモンド編集部編集委員 清水理裕)
主力薬とコストで勝敗が分かれる製薬
同じ高給業界でも世代間の損得は割れる
製薬大手の業績は、主力薬の伸びとコストの増減で濃淡が出ている。武田薬品工業は経費の圧縮が進み、円安方向への為替相場前提の見直しも追い風となって今期見通しを上方修正した。アステラス製薬は前立腺がん治療薬「イクスタンジ」などの販売増に加え、減損が想定より小さくなる見込みで純利益を大きく上積みした。
第一三共は抗がん剤「エンハーツ」の販売が堅調だが、一過性費用の計上で最終減益の見通しとなるなど利益は振れやすい。中外製薬は肥満症治療薬のロイヤルティー収入が利益を押し上げ、エーザイはアルツハイマー病治療薬「レケンビ」の拡販を急ぐ一方で、費用の先行が利益を圧迫する局面にある。
もっとも、業績が良いからといって、社員の処遇が世代横並びで改善するとは限らない。むしろ「どの局面で会社にいたか」「どの賃金カーブ・評価制度に乗ったか」で、同じ会社の中でも「得をした世代」と「割を食った世代」が生まれる。
今回は武田、アステラス、第一三共、中外、エーザイを取り上げる。いずれも平均年間給与が1000万円を超えており、年収が高い製薬業界の中でも特に高給の企業として知られている。
5社の中で、年齢別に長期で年収を比べた場合、団塊・バブル期・就職氷河期・ゆとり世代のうち、どの世代が恵まれていたのか?ダイヤモンド編集部は、過去20年間を10年刻みにして、「5世代の年収」と「主要100社内の年収ランク」の推移を独自に試算した。
対象としたのは、2000年代から現在までの、20~50代の現役世代から、60代と70代のOB世代まで。「それぞれの世代はこの20年で給料を幾らもらっていたのか」「その会社の中ではどの世代が得をしたのか」「日本の主要企業100社の中で、年収序列は高かったのか」。これらを徹底検証し、47項目のデータとして残酷なまでの格差をあぶり出した。
試算の結果、武田、アステラス、第一三共は氷河期世代が割を食っていた。一方の中外、エーザイは、「勝ち組」「負け組」の傾向が真逆となった。次ページでその詳細を確認しよう。







