――筆者のジョン・ボルトン氏は「ジョン・ボルトン回顧録 トランプ大統領との453日」の著者。2005~06年に米国連大使、2018~19年に米大統領補佐官(国家安全保障担当)を務めた ***  米国の外交政策を巡る政治は、現代の平常状態に回帰しつつある。それを物語るのが、バイデン政権が最近下した二つの決断とそれに対する両党の反応だ。ドナルド・トランプ前大統領の特異性と民主党の反対姿勢は、米二大政党の伝統的な立場をやや脱線させ、同盟国と敵国を同様に混乱させた。だが今、共和党と民主党は基本的に以前の状態に戻りつつある。