「やめなければ」 米体操女子バイルス棄権の舞台裏Photo:Laurence Griffiths/gettyimages

【東京】シモーン・バイルス選手は競技に臨める精神状態ではなかった。既に落下し、足首を痛めていた。それでも試合を続けようとしたが、続ければ自らを危険にさらすことが明らかになった。決断が下され、バイルス選手は途中棄権した。

 2013年に米国内の競技会で起きた出来事だ。8年後、東京五輪に臨んだ史上最高の体操選手は27日、今の精神状態では安全な演技もチームとしてのメダル獲得も難しいと述べ、体操女子団体総合決勝を棄権した。翌日、2連覇が有力視されていた個人総合の決勝も棄権した。