コロナ禍から企業が復活するのは一体、いつになるのだろうか。上場100社超、30業界を上回る月次業績データをつぶさに見ると、企業の再起力において明暗がはっきりと分かれている。前年同期と比べた月次業績データの推移を基に、「嵐」から「快晴」まで6つの天気図で各社がいま置かれた状況を明らかにする連載「コロナで明暗!【月次版】業界天気図」。今回は、4〜6月度のビール編だ。
キリンの販売数6%減とアサヒ販売額9%減に
見かけ以上の「大差」がある理由
ビールの主要4社が発表した4〜6月度の月次業績データは、以下の結果となった。
◯キリンビール(キリングループ)のビール類計販売数量
4月度:前年同月比105%(5%増)
5月度:同93%(7%減)
6月度:同94%(6%減)
◯アサヒビール(アサヒグループホールディングス〈HD〉)のビール類計販売金額
4月度:前年同月比127%(27%増)
5月度:同90%(10%減)
6月度:同91%(9%減)
◯サントリー(サントリーホールディングス〈HD〉)のビール類計販売数量
4月度:前年同月比116%(16%増)
5月度:同74%(26%減)
6月度:同87%(13%減)
◯サッポロビール(サッポロホールディングス〈HD〉)のビール類計販売数量
4月度:前年同月比107%(7%増)
5月度:同100%(増減なし)
6月度:同95%(5%減)
21年6月において、4社全てが前年実績割れを起こしている。中でも、キリンビールの販売数量と、アサヒビールの販売金額を深掘りすると、見かけ以上の「差」があることが分かった。