コロナ禍からの企業業績の回復は、勝ち組と負け組の格差が拡大して「K字型」に引き裂かれていくという二極化の議論が強まっている。そこで、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回は、ビール業界の3社について解説する。(ダイヤモンド編集部 笠原里穂)
キリンは減収もアサヒは10%超増収
コロナ禍のビールメーカー格差のワケ
企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は、以下のビール業界の主要3社。対象期間は21年1~3月の直近四半期としている。
各社の増収率は以下の通りだった。
・キリンホールディングス
増収率:マイナス3.6%(四半期の売上収益4093億円)
・アサヒグループホールディングス
増収率:11.6%(四半期の売上収益4567億円)
・サッポロホールディングス
増収率:マイナス9.9%(四半期の売上収益899億円)
次ページからは詳細の数字とともに、その要因を解説する。