写真:人民元Photo:PIXTA

「米中金融デカップリング」では中国に打撃が大きいとみられるが、最近、中国への資金流入が増加していることを考えれば、そうではないという見方もできる。

 中国への直接投資や証券投資は増えており、中国政府が人民元高を容認していることで、中国国債への投資も増えている。

 このような状況では、中国政府の規制強化で中国IT企業の外国市場上場が減っても、影響は少ないかもしれない。中国共産党は自信を深めて規制をさらに強化するかもしれない。

中国への資金流入は増加
外国市場での上場減っても影響ない?

 前回コラム(2021年7月29日付)「『米中金融デカップリング』で中国は自らの喉を絞めることになる」では、ディディなどニューヨーク市場でIPOする企業に対して中国当局が規制を強めているのは、米中間の金融的なつながりを切断する経済的に非合理な行動で、中国の今後の発展に重大な悪影響を及ぼすだろうと指摘した。

 しかし、この問題については別の見方をすることも可能だ。