アベノミクスが始まった2013年以降、法人企業の従業員1人当たり付加価値は順調に増加した。とりわけ規模の大きな企業で、この傾向は顕著だった。
しかし、この間に賃金はほとんど上がっておらず、増加した付加価値はほとんど企業の利益に回された。
なぜこのような現象が起きているのだろうか?
それは、大企業で非正規従業者が増えているからだ。
「1人当たり付加価値が増えても賃金が上がらない」というこのメカニズムが、いまの日本経済で最大の問題だ。
従業員当たりの付加価値は増えるのに、
賃金は上がらない
前回の本コラム「日本経済は『長期的な縮小過程』に入った可能性が高い理由」(2019年11月28日付)で、「就業者1人当たりの実質GDPが2018年に低下した」と指摘した。
法人企業統計で見ると、どうだろうか?