習主席が中国企業の米国IPOを
不快に思っているのは本当か?
中国の配車アプリ最大手である滴滴出行(ディディチューシン)への規制強化について、前回の本コラム(2021年7月22日付)「中国政府の国内巨大IT規制強化は『第3次天安門事件』だ」では、情報流出の観点から論じた。
ニューヨーク市場に上場すれば、タクシーの走行記録というセンシティブな情報がアメリカに流出する危険があるから規制したという解釈だ。
だがサイバーセキュリティ調査への対象にしたり中国のアプリ市場から締め出したりしたことが、ディディが株式を上場したばかりのタイミングだったことを考えれば、規制強化について、これとは異なる解釈も可能だ。
それは、「中国企業のアメリカ市場でのIPO(新規株式公開)を、習近平国家主席が不快に思っているから」ということだ。