日本を代表する家電メーカー3社は昨年度に引き続き、目を覆わんばかりの赤字に沈む見通しだ。2012年度までの3年間の損失はなんと累計3兆円にも及ぶ。元凶である液晶テレビを筆頭に、これまで国内で培ってきた事業をそのまま維持することは、もはや限界に達している。

歯止めのかからない経営の悪化について、説明するシャープの奥田社長
Photo by Naoyoshi Goto

 ついにシャープが崖っぷちに立たされた。

 10月上旬、液晶テレビの不振をきっかけにした経営危機に揺らぐシャープ本社で、なんとも奇妙なことが起きていた。数週間後に迫った中間決算発表の会見に、肝心のトップである奥田隆司社長が欠席すると囁かれていたのだ。

 理由は「再建案や他メーカーからの出資などポジティブな材料がなく、矢面に立つのは無理なのではないか」(複数のシャープ幹部)というもの。社内では、この春に急遽トップに就任した奥田社長が、いまだに不慣れな会見に出ることを不安視する声が高まっていた。

 同社は昨年度に3760億円の赤字を計上した上、液晶テレビや太陽電池事業の不振に歯止めがかからず、今年度さらに4500億円という過去最悪の赤字に業績予想を下方修正。自己資本比率が9.9%と1桁台に落ち込み、まさに瀬戸際の状況にある。

「もはやトップが説明しないで済むような状況ではない」(シャープ社員)のだが、確かに決算会見の案内には当初、奥田社長の名前はなかった。

 さらに、同社が自力で危機対応できない姿が浮き彫りになる。

 決算会見は、業績などの数字のみならず、企業側の考えやメッセージを伝えるための大切な機会であることは言うまでもない。