現在、若者を中心に圧倒的な人気を集め、フォロワー数が急上昇中の、ひろゆき氏。全国のベストセラーランキングで続々と1位を獲得し、34万部を突破したベストセラー『1%の努力』では、その考え方について深く掘り下げ、人生のターニングポイントでどのような判断をして、いかに彼が今のポジションを築き上げてきたのかを明らかに語った。
この記事では、ひろゆき氏に気になる質問をぶつけてみた。(構成:種岡 健)
家だと「周りが見えなくなる」
「家庭環境」は、いわゆる「井の中の蛙」状態になりやすいんですね。
それぞれの家庭には、それぞれの常識やルールがあります。「リビングにスマホを持ち入らない」「自分の皿は自分で洗う」など、独自のルールがあると思います。
そして、子どもはそれが「当たり前」だと思って生きています。父親とかがルールを破るのを見つけると、子どもはめちゃくちゃ怒り出します。それは、子どもの中で完全に「これが正しい」という常識ができあがっているからです。
この常識が「しつけ」として社会的に正しければよいのですが、残念ながら、そういう良い面ばかりではありません。
家庭によっては、DVや虐待などが起こることもあります。ネグレクト(育児放棄)の家庭だってあります。そういう家庭で育つと、その子は「これが当たり前なんだ」と思い込んで我慢してしまいます。親から殴られても「それでも親は悪くない」ということを普通に思っちゃうんですね。
外から見ると、「間違ってるじゃん」と思うことでも、家庭の中にいる人にとっては、なかなか客観視ができないんですよね。
もっと寛容に育てよう
家庭の中で「思い込み」や「常識」が強ければ強いほど、問題は起こりやすくなります。
仕事に「向き・不向き」があるように、子どもを育てることにも「向き・不向き」があると思います。それなのに、日本では根強く「母親は100%の愛情を注いで子どもを育てられる」というような母性神話が蔓延しています。
世界に目をやると、養子で育てられたり、里子に出されることは、まったく珍しいことはありません。「実の両親に育てられるべき」という価値観が強すぎると、それに当てはまらない子どもは「いじめ」や「差別」を受けることになってしまいます。
当たり前だと思っている価値観が多ければ多いほど、そこからハミ出す人は生きにくくなります。
「子どもが反抗期なんです」と言って悩んでいる親がいます。それは、親の側の「こうあるべき」という考えが強く表れているから、それに子どもは反発するのです。
自分の常識だけで育てられるのは、小学校の低学年くらいまでではないでしょうか。それ以降は、友達やネット、漫画、アニメなどの影響が入り込んでいきます。他の人の話を聞けば聞くほど、自分の家庭が100%正しいと思い込んでいたものが、少しずつ違うことに気づくんですね。
なので、ある程度の年齢になってきたら、親は、子どもが自ら気づくことを待ったり、放っておいたりすることが必要になってきます。未成年であっても、徐々に1人の大人として見るようにしていくのです。
親が自分の思い込みや常識について客観的に見れるようになれば、自然と問題は起こらなくなっていくと思います。
本名:西村博之
1976年、神奈川県生まれ。東京都に移り、中央大学へと進学。在学中に、アメリカ・アーカンソー州に留学。1999年、インターネットの匿名掲示板「2ちゃんねる」を開設し、管理人になる。2005年、株式会社ニワンゴの取締役管理人に就任し、「ニコニコ動画」を開始。2009年に「2ちゃんねる」の譲渡を発表。2015年、英語圏最大の匿名掲示板「4chan」の管理人に。2019年、「ペンギン村」をリリース。主な著書に、34万部を突破した『1%の努力』(ダイヤモンド社)がある。