差別化されない商品の行方

 画一的な商品企画は、プラスの効果もある。売りやすく、貸しやすい。嫌われる点があまりないので、入居者ターゲットが増えるからだ。逆に、注文戸建ては売ることがかなり難しくなる。

 それもオーダーメードにした分、約1000万円コスト高なので、この1000万円は自分のわがままを聞いてくれたコストとして、売るときには価値がなくなっている。こうして、戸建ては中古流通量がマンションと比較して極端に少なくなる。気に入ったものを造れば造るほど、売るに売れなくなるのだ。

 画一的な商品は、価格で比較されるようになる。スーパーで調味料を買うのに、価格は最も重要な判断要素として必ず目を通すことになる。不動産が違うのは、立地がすべて違うことだ。このため、立地と価格のてんびんで判断することになる。

 この結果、立地以上の要素が重視されることはあまりない。こうして、不動産の価格と資産性は立地でほぼ決まり、他はさまつなことにすぎなくなる。

 しかし、立地も「住めば都」というように、数年住む分にはこだわりを持たない人も多い。そこで、立地以上に重視される商品企画が出てくる。

 分譲マンションの最大の商品企画は「タワー」だ。戸建てでは実現できない圧倒的な眺望を得られるのはタワーマンションしかない。だからこそ、内覧の際に人を魅了し、明確に他の物件との違いを意識させることができる。しかし、どこでもタワーマンションは造れるわけではないので、この商品企画には限界がある。