五輪後の不動産・マンション#10"Photo:PIXTA

新型コロナウイルス感染拡大の影響で一戸建ての価格が上昇中だ。各社販売が好調な一方で土地の仕入れ競争が激化。さらにウッドショックで木材価格が上がるなど住宅価格の動向から目が離せない。特集『五輪後の不動産・マンション』(全12回)の#10では、今すぐ一戸建てが欲しい人が損しないためのポイントを追究した。(ダイヤモンド編集部 大根田康介)

コロナ禍で過剰在庫を一掃も
「ウッドショック」の想定外

 一戸建て最大手の飯田グループホールディングス(HD)は、2019年12月に3万2231棟あった未契約在庫が今年3月に1万6273棟まで半減した。

 かつては全国制覇を目指して各地で建築棟数をどんどん増やしていたが、19年10月の消費増税で住宅需要が落ち込んだ。そんなに落ち込むとは予想していなかったことがあだとなって在庫を過剰に抱え、同12月以降は仕入れを絞りながら販売を進めていた。

 そんな中でコロナ禍により想定外のことがまた起きた。広いスペースを取れる一戸建ての需要が一気に高まったのだ。今年3月末の適正在庫を2万2000棟から2万3000棟と想定していたが、結果は1万6273棟。過剰在庫が一掃され、仕入れよりも販売がかなり先行するようになった。

 想定外はさらに起こった。世界的な木材不足により木材価格が高騰するという「ウッドショック」が一戸建て市場に暗い影を落としているのだ。

 一戸建ての購入を希望する者は今、買って損しないためにどうすればいいのか。「新築vs中古」「建売vs注文」を比較し、さらにはウッドショックの影響を踏まえた「損しないためのポイント」を追究した。