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2020年度の決算において、1億円以上の役員報酬を受け取った上場企業の役員数は、2年ぶりに増加する結果となった。コロナ禍において、高額報酬を得た役員の顔ぶれとは。(東京商工リサーチ情報部 坂田芳博)

年収1億円以上の
上場企業役員数が増加

 2020年度に1億円以上の報酬を受け取った上場企業の役員は、382社で761人だった。

 社数は2018年度の404社をピークに2年連続で前年度を下回ったが、人数は2年ぶりに増加した。

 トップは、2年連続でセブン&アイ・ホールディングスのジョセフ・マイケル・デピント取締役だった。報酬額は27億5500万円で歴代10位。2位はソフトバンクグループのサイモン・シガース取締役が18億8200万円。僅差の3位には武田薬品工業のクリストフウェバー社長が18億7400万円でランクインした。

 記事の文末に掲載したトップ10ランキングにあるように、上位は外国人経営者が独占し、日本人は2人だけ。グローバル化が進む大手企業で、夢のような高額報酬を手にする“プロ経営者”への挑戦は日本人には狭き門になっている。

 かつてカルロス・ゴーン氏が引き上げた役員報酬だが、2020年度に20億円以上を受け取ったのは1人(2019年度4人)だけだった。コーポレート・ガバナンス(企業統治)の浸透とコロナ禍の影響が、役員報酬にも影を落としている。