日本企業の役員報酬は増えているが、欧米よりも少ない
日本企業の経営者・役員の報酬は欧米企業に比べると少ない(写真はイメージです)

日本企業の役員報酬は
増えている

 最近、わが国企業の役員報酬が増えている。2018年3月期、1億円以上の報酬を手にした役員(取締役、執行役、監査役など)の数は538人に達した。

 企業業績に寄与する優秀な人材の確保には、実績に見合った報酬を支払う必要がある。企業の成長には、人材確保が欠かせないことは言うまでもない。その意味で、報酬が増えることはそれなりの意味がある。

 また、実績に見合った報酬をもらうことは、新しいことに取り組む動機付け(インセンティブの付与)になるはずだ。それは、アニマルスピリッツ(成功や報酬を手に入れようとする血気、野心)を高める手段といってもよいだろう。

 企業の目的は、持続的に企業の価値を生み出すことだ。株式会社の場合、株主価値の増大が求められる。経営者をはじめとする役員の考えは、この目的に沿わなければならない。その考えを高め、持続させていくためには、業績に応じて相応の報酬を払い、成長を目指すインセンティブを付与することが重要だ。

 わが国の社会でも、この考えがさらに浸透することには意味がある。役員報酬は増えているものの、固定された基本報酬部分が50%超を占めるといわれている。一方、米国では固定部分が10%程度だ。その分、米国では、経営者に対する業績拡大への意識付けが重視されている。

 企業の競争力の源泉は、基本的に経営者をはじめとする人材だ。わが国企業がグローバル規模の競争に勝ち残るには、年功序列型の企業文化や制度を変革し、実績を上げた人材にその対価を支払うことが必要になるだろう。逆に、実績を上げられない経営者は淘汰されることになるはずだ。