緊急事態宣言が長引き、外出も自由にできず、気持ち的にも落ち込みやすい人も多いのではないだろうか。「コロナ離婚」というように、夫婦仲が悪くなる人も少なくない。パートナーとの関係が最近良くない……と感じる人にぜひ読んでほしいのが、2021年4月14日に発売後、ネット書店、リアル書店で売り切れが続出、発売3ヵ月で5万部を突破した『大丈夫じゃないのに大丈夫なふりをした』(クルベウ著 藤田麗子訳)だ。
読者からは「このタイトルは私そのもの」「すべての文章が刺さった」「大切な人にプレゼントしたい」と共感・絶賛の声が相次いでいる。
著者のクルベウ氏は事業に失敗し、自分を励ますためにSNSに投稿していた癒しの言葉が多くの共感を集め、2015年に作家デビュー。処女作『心配しないで』はBTSのファン感謝イベントでJ-HOPEから「メンバーのJINにおすすめしたい本」として紹介され、ファンの間で「BTSおすすめの作家」として話題に。クルベウ氏は韓国では著書累計55万部を突破するなど、「韓国のSNS作家として一番人気」との呼び声も高い。
「自分らしく、豊かに生きるためのメソッド」が詰まった本書。今回は、日本版「相手に『変わってほしい』と思ってしまう」の内容から、一部抜粋・編集して紹介する。

「パートナーの嫌な部分ばかりが目につく」ときの対処法Photo: Adobe Stock

気づくとケンカになってしまう理由

1組のカップルがいた。
ふたりはとにかくケンカが多かった。
うまくいっていた頃はこれ以上ないほど仲がよかったが、ささいなことでしょっちゅう言い争っているうちに、好きな気持ちはどんどん不安に変わり、これからずっと一緒にいてもいいのだろうかという思いが芽生え始めた。

ある日、ふたりはケンカに疲れて、自分たちはなぜこんなにぶつかり合ってしまうのか、理由を考えてみた。

ふたりはケンカのたびに、どちらが正しいのか間違っているのかを追及して、それぞれが自分の主張だけを前面に押し出していた。
お互いに、自分だけが正しいと声高に訴えていたのだ。

自分の価値観だけを正しいと考え、相手が自分の望みどおりに変わってほしいという気持ちのせいで、むなしさが増していた。

相手が自分のために変わるのは当然のことだと考えていた。

相手が変わらないせいで、自分の人生がつらくなり、相手を憎んで、小さな過ちにすら大きな怒りを感じるようになったのだ。

そこでふたりは3つの約束をした。

1つ目は、正しいか正しくないかを問い詰めず、お互いを優しく包み込むこと。

2つ目は、相手に何も望まないこと。

3つ目は、相手の何かが原因で自分があまりにもつらいときは、心からお願いしてみること。
それでも相手が自分の意見を聞き入れないなら、変えようとせずに理解すること。
理解できないときは、争うのではなく別れること。

その後、このカップルは4年の歳月を経て結婚することになり、今では2人の子どもの親になった。