会社を起こすときに有利なタイミングは?
つけ加えれば、今年の7月1日以降にフリーランスになった人たちや独立した人の場合は、来年の消費税を心配する必要はありません。
なぜなら、7月1日以降に独立した人は、特定期間がないからです。
だから仮に、7月1日に独立つまり商売を開始して10日後に2000万円の売上が上がった、という場合なら、この人には特定期間の売上高がないので来年は消費税が免税となり、課税事業者にはなりません。
ただし、1年間の売上高は確実に1000万円を超えるので、翌々年、すなわち2014(平成26)年には課税事業者となります。
2014年の売上高に応じて計算された消費税を2015(平成27)年の3月に確定申告することになりますが、1年は免税になるのでトクなんですね。
さて、こういう話をすると、「じゃあフリーランスになったり個人事業主として独立したりする場合には、年の後半つまり7月1日~12月31日までの間に事業を開始したほうがいい、ということになるのでしょうか。
答えは、半分イエスで半分ノーでしょう。
独立というのは、タイミングが重要です。
消費税的には、7月以降に独立したほうがいいのは間違いありませんが、結局、課税売上高が1000万円を超えた場合は、消費税から逃れることはできないわけですからね。
消費税が怖いからといって、それで消極的になりすぎてはいけませんし、なにより事業のタイミングを逃すようでは、意味がないと思います。
もちろん、今後段階的に消費税率が高くなっていくのは確実で、そのために負担もかなり大きくなっていくのですから、独立しようと考えている人は、独立時期を考慮に入れておいたほうがいいのは確かですね。
さて最後に、ここまでは便宜上「売上高」と言ってきましたが、消費税の課税や免税を決める売上高とは、正確には「課税売上高」です。
これには、固定資産を売却した場合などの売却金額も含まれますので、これも要注意。
特定期間の売上高が900万円あって「大丈夫だった」とホッとしていたら、じつは社用車を特定期間中に300万円で売却していた、なんてことになったら大変です。この話については、拙著新刊『【新版】フリーランス、個人事業、副業サラリーマンのための「個人か?会社か?」から申告・節税まで、「ソン・トク」の本音、ぶっちゃけます。』に書きましたので、ご参照いただけると幸いです。
もちろん、このときには、特定期間中に支払った給与総額を集計して、これが1000万円以下なら安心、ということになりますね。
(次回は11月20日更新予定です。)
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通称“ぶっちゃけ税理士”。東北税理士会所属。会計事務所勤務を含め、10年間に転職4回と一時期無一文になった経験を活かし、起業専門税理士として創業から事業承継・M&Aまでを網羅して中小企業を支援。何事にも本音でぶちあたるその姿が共感を呼び、政府系起業支援団体の第1期アドバイザーとして指名数東北・北海道ナンバーワン(全国3位・起業相談部門)となったほか、開業5年で102件関与と業界平均の3倍を達成。関与した経営者は2000人超。元査察の税理士に仕えていたため、税の世界の裏事情にも詳しい。