心が男でも女でもないXジェンダーという違い

 もう一つ他の人と大きな違いがあるのは、私には一般的な性の自認がないということ。Xジェンダーの中の無性というものに分類されています。

 トランスジェンダーにも様々な定義がありますが、私の場合は、心が男でも女でもありません。子どもの頃も男女のこだわりは何もなく、ズボンやスカートのどっちがいいとかいう感覚はありませんでしたし、今もありません。

 大体こういう性的な話をすると皆さんに聞かれるのは恋愛対象ですが、どちらにも興味がありません。人生を通じて、「男性だから好き」も「女性だから好き」もありません。

 ただ、「その人」を好きになるので相手の人の性別は関係ないのですが、相手は概ね男女どちらかの性を認識しておられるので、付き合う人が異性愛者の場合もあれば、同性愛者であることもありました。

「その人」そのものを好きになったと思っても相手はそう思ってくれません。そして日常生活の様々なシーンで「男らしく」「女らしく」という概念が私に「普通の人間ならこうだ」という「常識」を押し付けてきます。

 発達障害は、ある程度有名になったため説明しやすくなりましたが、性別で勝手に自分を定義されるたびに、私は本当に些細なことで精神的に疲弊していました。