注目された米中の政治
11月6日夜、米大統領選をハーバード大学ケネディースクール内で観戦した後の帰り道で、私は中国人の同僚たちと議論しながら、冷たくなってきたボストンの空気を感じていた。
「やっぱりアメリカの政治は面白いよね。見ている者たちを巻き込み、本気で政治を考えさせる魅力がある」
私がこうつぶやくと、同世代の男性が「そうだね。これまでに感じたことのない政治の力を垣間見た気がする。やっぱり選挙はダイナミックだよ」と返してきた。
それから話は、数日後に迫った中国共産党第18党大会へと移る。米中二大大国の一大政治イベントが、これだけ近いスケジュールでセッティングされることは歴史的に見ても特筆されるべきだと思う。
それにしても、近年中国は益々自信をつけてきたな、と渡米後も実感している。中国共産党のマウスピースとも言われるCCTV(中国電子台)は11月4日、ウェブ版における「18党大会特集」のなかで、欧米諸国のメディア、シンクタンクが如何に11月8日から開催される中国の18党大会に注目しているかを、米、英、仏などの報道を引用しながら取り上げた。
たとえば、タイトルで『米タイム誌:中国共産党リーダー交代の影響力は米大統領選を上回る』と強調した記事も見られた。
「世界が真の意味で関心を持つのは中国の動向だと思う。新体制がどういう陣営で、どういう改革をしていくのか。ベールに包まれてきたからこそ、注目もされる」
こう私が提起すると、彼らは自嘲気味にこう返してきた。
「まあ私たちが心配したり、頑張ったりしても、どうこうなる話でもないですけどね」