ひろゆきが「悪口を言われたときに1秒で対処する方法」ベスト1ひろゆき氏(撮影:榊智朗)

現在、さまざまなメディアで大活躍中のひろゆき氏。全国のベストセラーランキングで続々と1位を獲得し、34万部を突破した著書1%の努力』では、その考え方について深く掘り下げ、人生のターニングポイントでどのような判断をして今のポジションを築き上げてきたのかを明らかに語った。
この記事では、ひろゆき氏に気になる質問をぶつけてみた。(構成:種岡 健)

人間の根性はなくなっていく?

 人間は進化しているのか、退化しているのか。その定義はなかなか難しいものです。猿と比べると、明らかに運動能力は退化しています。味覚や嗅覚も衰えているという見方もできます。

 しかし、一方で、人間は複雑な言語や抽象的な概念を理解できるようになっています。何かを手に入れれば、他の何かを手放さなくてはいけないのです。

 さて、そういう意味では、人間の「根性」はどんどんなくなっていると言えます。暑さや寒さに耐えることは、なかなか難しくなっています。

 誰だって、クーラーや暖房がない時代には戻れませんからね。メールやLINEに慣れてしまうと、手紙でやりとりしていた時代にも戻れません。

 それは当たり前のことなのに、「忍耐が足りない」「根性がない」などと言って若者を非難する老人がいます。とても残念な思考ですよね。

 私たちは、忍耐力がないことを前提に生きていかないといけないのです。それが理解できない人は、文明と距離をとって無人島で暮らすほうが幸せなのかもしれません。

悪口に対する免疫

 なぜ、こんな話をしたかというと、「忍耐力」がなくなったことで、生きづらさを抱えてしまう人もいると思ったからです。

 その代表格が、「悪口」です。僕自身、元はネット掲示板の管理人だったので、「悪口」とは長い付き合いで、つねに考える場面も多かったです。

 直接、悪口を言われる場面は、少なくなってきています。教師が生徒に暴言を吐くことも、親が子どもを怒鳴りつけることも、友達同士が激しい口論や殴り合いをすることも、徐々に減ってきています。

 それにより、「悪口に対する免疫」は、残念ながら落ちているでしょう。たった1つの書き込みで、ショックで立ち直れなくなってしまうかもしれません。

 しかし、そういうものに出くわす確立は、つねにあります。友達同士の愚痴の言い合いが、その本人に誤送信してしまうこともあるでしょう。LINEでクローズドに書き込んだことが、誤ってオープンなSNSに投稿してしまうこともあります。

 そうやって届いてしまった悪口を、どのように受け止めればいいのでしょうか。

悪口への対処法・ベスト1

 つねに自分に対して悪口を言われる可能性があることを受け入れておきましょう。そして、それが向けられたときは、「犬に吠えられている」と考えるのです。

 犬に吠えられたときは、「犬に吠えられている」と考えますよね?

「なぜ、この犬は私に吠えるんだろう?」「私の行いの何がいけなかったんだろう?」「どうしたら吠えなくなるだろう…」などと、くよくよといつまでも考え込むような人は、おそらくいないと思います。

 翌日も、翌々日も、「なぜ、あの犬は私に吠えたんだろう……」とショックになる人もいないと思います。

 悪口なんて、その程度のものです。相手は、一瞬の快楽や開放感のために、悪口を言ったにすぎません。あなたを傷つけて精神的に追い詰めようとはしていません。

 だから、そんなものに、いつまでも自分の時間や精神をすり減らされる必要はありません。とはいえ、言葉は頭に残ってしまいますから、反芻してしまうのが人間の弱みです。

 そのときに、つねに「犬が吠えている」と、意識を切り替えてください。そうやってしのぐしか方法はありません。自分を守る武器として、持っておいてほしいなと思います。

ひろゆき
本名:西村博之
1976年、神奈川県生まれ。東京都に移り、中央大学へと進学。在学中に、アメリカ・アーカンソー州に留学。1999年、インターネットの匿名掲示板「2ちゃんねる」を開設し、管理人になる。2005年、株式会社ニワンゴの取締役管理人に就任し、「ニコニコ動画」を開始。2009年に「2ちゃんねる」の譲渡を発表。2015年、英語圏最大の匿名掲示板「4chan」の管理人に。2019年、「ペンギン村」をリリース。主な著書に、34万部を突破した『1%の努力』(ダイヤモンド社)がある。