ストローやスプーン、ハンガーも
12品目の有料化が俎上(そじょう)に
地球温暖化や持続的社会に関心が高いビジネスパーソンが今回、新しく覚えるべき言葉は「特定プラスチック使用製品」です。
環境省と経済産業省は23日、プラスチックの使用量削減やリサイクルを促進する新制度の具体案を示しました。約1年前のレジ袋の有料化に続く、ゴミ削減を目指した第2弾とも言える対策で、特に目を引いたのが「特定プラスチック使用製品」についての規制案です。
耳慣れない言葉ですが、これは企業が消費者に無償で提供してきた12品目のプラスチック製品を表す総称です。
具体的には、スーパー・コンビニや飲食店のテークアウトで提供されるのが、プラスチック製のフォーク、スプーン、ナイフ、マドラー、ストローの5品目。ホテルや旅館が提供するのが、歯ブラシ、ヘアブラシ、くし、使い捨てかみそり、シャワーキャップの5品目、そしてクリーニング店で提供されるのが、ハンガーと衣類カバーの2品目。これらを削減する試みをそれぞれの業界の主だった事業者に義務付けようというのが、今回の法案です。
有識者による審議会の資料を読むと、我が国で排出される使用済みプラスチック廃棄物のうち65%は、すでに家電リサイクル法や容器包装リサイクル法などの法律で回収フローが整備されつつあります。一方で、残り35%を占めるその他の製品は、個別リサイクル法の対象外で可燃ごみとして処理されているわけです。
そのように可燃ごみになるもののうち、目立つというか目をつけやすいのがこの12品目の特定プラスチック使用製品です。レジ袋の有料化と同じで、使っている事業者がわかりやすいため、そこにメスを入れるのは一定の効果が上がることになりそうです。
来年の4月からこの新しい試みが導入されることになりそうなのですが、それを考察する目的で昨年の7月1日のレジ袋有料化のときに何が起きたのか、もう一度振り返ってみましょう。