コロナの感染拡大、経済活動自粛による困窮、他人とコミュニケーションできないことからくる孤独感や閉塞感、SNSによる誹謗中傷やバッシングなど、私たちは、いま多くの生きづらさを感じさせる事柄に取り囲まれています。そんな中にあって、毎日を心安らかに、できるだけ快適に生きていくためには、どうすればいいのでしょうか? 発達障害(ADHD)、うつ病など、生きづらさを抱えながらも精神科医として活躍するバク先生は、ツイッターでのつぶやきが共感・絶賛され、今、人気急上昇中。そんなバク先生の初の著書『発達障害、うつサバイバーのバク@精神科医が明かす生きづらいがラクになる ゆるメンタル練習帳』(ダイヤモンド社)が発売されました。同書の中には、生きづらさを解消するための実践的なヒントが詰め込まれています。本連載では、同書の発刊を記念してそのエッセンスをお届けします。心がスーッと軽くなる珠玉のアドバイスにお付き合いください。好評のバックナンバーはこちらからどうぞ。

苦手な相手はうまく受け流し、避けることを意識したほうが仕事はラクにできるPhoto: Adobe Stock

苦手な相手と、まともに向き合わなくてもいい

 職場の人と無理に仲良くなろうとしなくていいし、もし上司の言動が苦痛になのであれば、それを避けようと行動することは悪いことでもありません。

 具体的に、どんなときに、上司の言動が自分を傷つけるかを知りましょう。

 決裁などをもらうとき、ちくちくとイヤミを言われたり、面倒な会話を長々としなければならなかったりするのが苦痛だったら、書類などをすっと机の上に置き、「これを確認のうえ、はんこをいただけたら助かります。お忙しいと思うので私がまたあとで取りにきます」と相手を気遣う雰囲気を出しつつ深いコミュニケーションを避ける方法もあります。

「お前は俺と話したくないのか!」と言われたとしても、上司だからといって部下に自分の機嫌を取るように強要する権利はありません。

 どうやったら、そんな厄介な人間をうまく回避できるのか、という手段を探すほうが、「上司に気に入られよう!」と努力するより大分建設的な思考だと思います。

 また、何かネチネチ言われても、全部を真面目に聞く必要もありません。

「そうですね。はい。気をつけます」など、相手が怒らない範囲の返しがどの辺りかを探りましょう。