上司だからといって、
言われたことをそのまま受け取る義務はない

 もし理不尽なことを押し付けられそうになったら、回避手段を工夫しましょう。

 ストレートに「いやです」と断るよりも、「今はこういう業務を先にするように○○さんから指示が出ているんですけれど、○○さんにそちらを優先していいか確認してから作業に入りますね。回答次第では、もしかしたら後回しになりますが、構いませんか?」と他人を巻き込んで押し付けられていることを周囲に知らせてしまうのもいい方法だと思います(天然風を装って周知するのは、ある種必要な処世術だと思います)。

 当たりが強くて言葉が乱暴な上司の場合、どうしても恐怖感や圧迫感から、部下はその言葉を重く受け止め過ぎてしまうことも多くあります。

「あの人は日本語が下手だからな」とか、「ああいう言い方しかできないからな」などと、受け止め方を変えて、まともに被弾しないように普段から脳内でイメージトレーニングをすることも大事です。

 そもそも上司が部下を萎縮させている時点で、上司としての器がありません。

 怒鳴られるたびに「ああ、この人は大声を出さないと自分の意見が聞いてもらえないことを自覚しているんだ。弱い犬ほどよく無駄吠えするって話を聞いたな……」と怒鳴られているのは自分が悪いのではない、ということを理解して全部聞かないようにしましょう。

 そもそも相手が上司だからといって、言われたことをそのまま素直に受け取ってやる義務はないですし、「だって会社は聞いてくれないから」というような環境なら、その職場は損切り対象なのです。

 とにかく仕事関係の人間に対して、真っ向からぶつかろう、受け止めようとしても損しかしません。ひたすらヒラリヒラリと心の合気道よろしく受け流し、避けることを意識したほうが仕事はラクにできるようになるはずです。

 何度も言いますが、仕事はあなたが労働力を提供し、対価として賃金をもらう行為でしかありません。理不尽な相手の言うことを、まともに受け止め、苦痛を感じ過ぎて自分の心を痛めた結果、会社に行けなくなるのは、あまりに自衛力が欠如してしまっています。

 まともにぶつかったり、受け止めたりして最終的に会社を辞めるよりは、うまくやり過ごして給料をもらっていたほうが、よっぽどお得です。

 だから自分の身を守るためにも、ある程度会社での自分の価値を高めるために勉強や資格取得はしたほうがいいです。

 POINT:
 ヒラリヒラリと心の合気道よろしく受け流し、苦手な相手を避けることを意識する。

苦手な相手はうまく受け流し、<br />避けることを意識したほうが<br />仕事はラクにできるバク@精神科医
元内科の精神科専門医 中高生時代イジメにあうが親や学校からの理解はなく、行く場所の確保を模索するうちにスクールカウンセラーの存在を知り、カウンセラーの道を志し文系に進学する。しかし「カウンセラーで食っていけるのはごく一部」という現実を知り、一念発起し、医師を目指し理転後、都内某私立大学医学部に入学。奨学金を得ながら、勉学とバイトにいそしみやっとのことで卒業。医師国家試験に合格。当初、内科医を専攻したが、医師研修中に父親が亡くなる喪失体験もあり、さまざまなことに対して自信を失う。医師に続けることを諦めかけるが、先輩の精神科主治医と出会うことで、精神科医として「第二の医師人生」をスタート。精神科単科病院にてさまざまな分野の精神科領域の治療に従事。アルコール依存症などの依存症患者への治療を通じて「人間の欲望」について示唆を得る。現在は、双極性障害(躁うつ病)や統合失調症、パーソナリティ障害などの患者が多い急性期精神科病棟の勤務医。「よりわかりやすく、誤解のない精神科医療」の啓発を目標に、医療従事者、患者、企業対象の講演等を行う。個人クリニック開業に向け奮闘中。うつ病を経験し、ADHDの医師としてTwitter(@DrYumekuiBaku)でも人気急上昇中。Twitterフォロワー4万人。『発達障害、うつサバイバーのバク@精神科医が明かす生きづらいがラクになる ゆるメンタル練習帳』が初の著書。