コロナ禍からの企業業績の回復は、勝ち組と負け組の格差が拡大して「K字型」に引き裂かれていくという二極化の議論が強まっている。そこで、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回はゼンショーホールディングス、吉野家ホールディングス、松屋フーズホールディングスの「牛丼」業界の3社について解説する。(ダイヤモンド編集部 笠原里穂)
吉野家HDは四半期減収
ゼンショーHD、松屋フーズHDは増収
企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下の牛丼業界3社。対象期間は21年3~6月の直近四半期(吉野家ホールディングスは21年3~5月期、その他2社は21年4~6月期)としている。
各社の増収率は以下の通りだった。
・ゼンショーホールディングス
増収率:18.9%(四半期の売上高1526億円)
・吉野家ホールディングス
増収率:マイナス8.1%(四半期の売上高365億円)
・松屋フーズホールディングス
増収率:6.6%(四半期の売上高225億円)
牛丼業界3社の四半期売上高は、吉野家ホールディングスが前年同期比減収、その他2社は増収と明暗が分かれた。この要因は何だったのか。次ページで詳しく解説する。