ほんとペトロヴィッチ監督は、失敗してもチャレンジしたことに対してすごく褒めてくれていました。そうすると、選手たちはチャレンジすることへの恐怖心がなくなるんです。逆にチャレンジして褒められれば、もっとチャレンジしようと思うわけですね。そうしてもっと監督を驚かしてやろうとして、アイデアが生まれてくるんです。そういうことを大切にしていた監督なので、やっていて自分も楽しかったですね、サッカーを。

 そこでビジネスの中でも、経営者としての立ち位置を学ぶこともできたと思っています。まさに会社運営は、チーム運営と一緒だと思っています。

AuBスタートのキッカケは、
実はあるサポーターとの会話にあった…

鈴木氏:このような経緯もあって僕自身、サッカーを卒業したあとは、現役のアスリートのために、彼らが抱く夢を成し遂げるためのお手伝いができれば…と願って、母から学んだ栄養学からコンディションづくりの知識の共有、そしてそのための健康補助食品を提供できればと考え、AuBをスタートアップさせたというわけです。

 でもそのスタート以前に、そのアイデアを僕の頭に抱かせるようになったあるエピソードがあったことをここで打ち明けさせてください。

 2013年か2014年の頃です。ファン・サポーターと話す機会をいただき、そこでファンの方がなかなか試合に観に来てくれないことに関して、皆さんと語り合ったことがありました。2006年、2007年、2008年の頃は年間およそ4.5万人の観客動員があったのですが、2013年頃にはおよそ3.5万人と、だいたい1万人ほど減っているわけです、7、8年の間にですよ。そこで僕はファンの方々に、「もっとスタジアムに観に来てください」という話をしたんです。そのとき僕らは、「結果を出さないから…」「勝てないから…」と言われるものだと思っていたのですが、それが違かったんです。

Jリーグが始まって、何年経っていると思ってるんだよ。もう20年以上経っているんだぞ。20年も経てば、Jリーグ始まった当初40歳だった俺は今60歳超えているんだ。スタジアム行くのも大変だし、身体も疲れるんだよ」と…。

 当時の僕は、「そんな理由もあるんだな」ってハッとしたんです。そんな解答がくるなんて、当時の自分の感覚の中にはなかったわけです。そこでも、サポーターの方からとても重要なことを学ばせてもらったわけです。

鈴木氏:そこで僕は、そのことを追究するようになりました。いつまでも自分のチームを好きでいてくれるサポーターの皆さんが、スタジアムに足を運んで応援し続けてくれたら、チームとして、いや、スポーツ全体として、それ以上にうれしいことってないじゃないですか。なので、「サポーターの皆さんが、年を重ねてもスタジアムへ元気に足を運んでもらうためはどうしたら良いのか?」って考えるようになったわけです。そしてあるとき、「あ、あるじゃん!」と気づけたのです。