虚偽の情報がツイッターで拡散
DV被害も不正確に伝えられる

 ウィシュマさんについては、ツイッター上で虚偽の内容が拡散されている。

 たとえば、「入管に収容された後、帰国するはずだったのにそれを支援者が引き止めた」「ハンガーストライキの末に死亡した」などだ。

 ウィシュマさんは、同居していた男性からのDVを恐れ帰国できないと訴えていた。また、入管で抗議のハンガーストライキの末に亡くなった人は過去にいるが、それはウィシュマさんではない。

 ウィシュマさんは2017年6月に来日し、英語を日本の子どもに教えるという夢を持って日本語学校に通った。しかしその後、学校に通わなくなり、2020年8月に警察を訪れた。

 その際に同居していたスリランカ人男性からDVを受けて家から追い出されたと語っていたという。そこで在留資格が切れていることが明らかになり、そのまま入管に収容される。スリランカに帰国すれば危害を加えるという趣旨の手紙を男性から受け取り、帰国できないと訴えていた。

 ウィシュマさんが語っていたDVの内容は最終報告書にも記されており、その中には「無理やり中絶させられた」というものもあった。

 フォトジャーナリスト・安田菜津紀さんは、毎日新聞の記事の中で、DV加害者である(少なくともその疑いがある)同居男性が仮放免を許され、DV被害と体調不良を訴えていたウィシュマさんが仮放免を許されなかったのはなぜなのか、という疑問を提示している。