日本は少子高齢化で、外国人の労働力に頼らざるを得ない部分が多い。それにもかかわらず、日本人は外国人、特に中国人に対して厳しくあたっていないだろうか。日本で働く中国人たちのSOSに耳を傾けた。(ジャーナリスト 姫田小夏)
外国人採用、変わらない職場の意識
憧れの日本で働く機会を得たものの、泣く泣く日本の職場を去る中国の若者は少なくない。日本ではパワーハラスメント(パワハラ)の防止が法律で決まり、社会全体に意識が浸透するようになったが、そのしわ寄せが外国人採用の若者に向かう一面もある。
「ほんのささいなミスに、上司からこんなにひどく怒られるとは想像もしませんでした。私自身は真面目に手を抜かず頑張っているつもりなんですが……」
梁さん(仮名)は今年の春、都内の有名私大を卒業し、憧れの日本企業に新卒で就職した。業界では名の通った会社であり、梁さんもこの企業の発展に自分の将来を重ね合わせていた。入社して3カ月間、なんとか社内のシステムに慣れなければと必死に頑張っているが、苦しい日々が続いている。
「噂には聞いていたし、自分でも覚悟はしていましたが、日本企業は想像以上につらい現場です。仕事の内容よりも社内の人間関係がはるかに難しいです」と梁さんは語る。