フォートナイト開発元の主張

 だが、同じ数字も、フォートナイトの開発元であるエピック・ゲームズの言い分では“法外”ということになる。また、ゲーム内のアイテム購入の課金にもアプリストアの決済システムを利用することが義務付けられ、そこに同じ手数料が適用されるのは、プラットフォーマーとしての立場を悪用した押し付けであると主張した。

フォートナイトのサイトエピック・ゲームズが開発するオンラインゲーム「フォートナイト」。iOSやAndroidのほか、PlayStation、Nintendo Switch、XBOXなどさまざまなプラットフォームで提供されている

 アップルがサーバーのホスティング代や配信時のネットワーク使用料を負担していることは確かだが、物理的な製品を扱っていた家庭用ゲーム機の時代と同じ手数料を徴収するのは理屈に合わず、外部の決済システムを利用できない点も自由競争を阻害しているというわけだ。

 これに対してアップルは、手数料はアプリストア全体のエコシステムの改善や強化に利用しているとし、決済システムを含めてアプリストアでアプリを一元的に管理することは、ユーザーの利便性と安全を確保するうえで重要と考えている。

 興味深いのは、エピック・ゲームズから同様の訴訟を起こされたグーグルが、「AndroidデバイスではGoogle Play Storeのほかに外部の配信サービスからもアプリをダウンロードして利用できる(いわゆるサイドローディング)ため、独占的なアプリストアではない」と言いつつ、「ユーザーの安全のためにはGoogle Play Storeの利用を推奨する」としたことだ。逆に言えば、サイドローディングの危険性をグーグル自体も認めたことになり、間接的にアップルのアプリストアの存在理由を支持している構図になる。