Android向けモバイル広告費が急増し、iOS向けが激減している意外な理由(C)Google

今年4月以降、Android向けの広告費が急増し、iOS向けの広告費の成長率が目に見えて鈍化するという現象が起こっている。しかも、Android向けの広告料はiOS向けよりも30%も高くなった。実はこうした動きは、それぞれのプラットフォームのプライバシーに対する取り組みと、密接に関係するものだ。今回は、なぜAndroid向け広告費が増えたのか、そしてプライバシー保護を取り巻く状況が、企業のこれからに及ぼす影響について考えてみる。(テクノロジーライター 大谷和利)

トラッキングの透明性で明暗が分かれた

 ここ数年にわたり、Appleは自社製品とサービスにおけるプライバシー保護の動きを強め、昨年末から今年にかけて、アプリストアで販売されるアプリを開発するサードパーティーにもプライバシーポリシーの表示を義務化してきた。特に4月にリリースされたiOS 14.5では、ATTこと「アプリのトラッキングの透明性」が導入され、ユーザーの承認なしには、パーソナライズ広告を表示するために必要な情報のトラッキングができなくなっている。

Apple自体も広告プラットフォームを持つものの、トラッキングは完全に排除し、個人を特定できる情報を外部の広告ブローカーなどに売り渡したりしないことを明言している。(拡大すると全体を表示)Apple自体も広告プラットフォームを持つものの、トラッキングは完全に排除し、個人を特定できる情報を外部の広告ブローカーなどに売り渡したりしないことを明言している(拡大すると全体を表示)
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Android向けモバイル広告費が急増し、iOS向けが激減している意外な理由iOS 14.5では、ATT(アプリのトラッキングの透明性)が導入され、アプリからのトラッキング要求の許可を選択可能となったが、8割のユーザーがトラッキングを拒否しているとされる(拡大すると全体を表示)
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