お金持ちはどんな行動パターンと思考様式を持っているのか?
お金持ちだけが知っている、真の豊かさの正体とは!?

お金持ちがしている100の習慣』ではそのような疑問に答える「お金持ちの行動パターンと思考様式」を解き明かしています。著者は国際的に活躍するイギリスのコーチング第一人者であり、数多くのクライアントにコーチングをおこなってきました。成功者の習慣についてまとめた『成功者がしている100の習慣』は6万5000部突破のベストセラーとなっています。
本書では、その経験から導き出したお金持ちに共通する100の習慣を紹介しています。
「あなたはなぜお金持ちになりたいのか」本書のアドバイスはこの問いからはじまります。しっかりと目標設定をし、紹介されている習慣を実践することが、お金持ち、そして真の豊かさへの近道です。
この連載では、本書に紹介されている100の習慣を特別に抜粋し、お金持ちになる人、ならない人の思考や行動のパターンを解明。習慣のポイントだけでなく、どのように実践すればよいか、ワークなどをまじえ具体的な方法を紹介します。

資産総額1000億ドル超! 世界屈指の投資家も実践する「専門知識・理論不要」の投資ルールPhoto: Adobe Stock

お金持ちになる人は知っているものにだけ手を出し、
お金持ちにならない人は知らないものに飛びつく

「ルールを知らないゲームをプレーすれば、負けて大金を失うのは目に見えている」

世界屈指の投資家ウォーレン・バフェットは、「よくわからないビジネスには決して投資しない」という原則に従っていることで有名です。このアドバイスは、私たちの資産形成にも当てはまります。どんな投資家も、株であれ、デリバティブであれ、他の金融商品であれ、うまく説明できないものには投資すべきではないのです。

一般的には、よくわからない何かに挑戦すれば、ちょっとしたスリルが味わえることもあります。予想外の新しい発見につながることもあるでしょう。しかし投資に関しては話が違います。知らないことに手を出して得られる興奮は、簡単に絶望に変わってしまうのです。

金融商品には数え切れないほどの種類があり、すべてを理解するのは不可能です。商品名からしてよく理解できないものも少なくありません。そのような商品には警戒しましょう。たとえば「ベロシティシェアーズ・デイリー・インバースVIX短期上場投資証券(XIV)」という商品があります。これは、スイスの銀行クレディ・スイスが一晩でその価値の93%を失った後に取引を停止した投資商品です。こうした難しそうな名前の金融商品は、内容を十分に理解できないのなら買うべきではありません。

知らないことには手を出さないという原則に従っていれば、結果として投資機会を逃すこともあるでしょう。実際、IT企業の株を買わないことで知られるバフェットも、アマゾンやグーグルの株主になって大金を手にする機会を逃しています。それでも彼は、その決断を後悔していません。あなたもバフェットと同じ原則に従って機会を逃したとしても、後悔する必要などありません。投資の世界では、無理をして裏目に出るよりも、最初から手を出さないほうが得策なのです。

お金の格言
簡単に説明できないのは、十分に理解していないからである
(アルベルト・アインシュタイン)

実践しよう

■簡単な言葉で説明できるものだけに投資する
「投資の対象がどんなものなのかを、誰かに簡単な言葉で説明できること」を、あなたの投資の原則にしましょう。簡単に説明できないものに、大切な資金を注ぎ込むべきではありません。

スタートアップへの投資を検討しているときは、その会社のビジネスモデルを十分に理解できているかを確認しましょう。「私は知らないが、他の誰かがよく知っている」では不十分です。スタートアップの創業者は情熱的で、自分たちが何をしているかは十分に理解していると言うでしょう。しかし大切なのは、あなたがそれを理解しているかどうかです。その会社のビジネスモデルをきちんと説明できないようなら、投資は取りやめるべきです。

銀行の担当者から「高いリターンが見込めます」と金融商品を勧められても、鵜呑みにしてはいけません。彼らは、あなたにそれを売り込むことが仕事です。担当者がその商品を簡単な言葉で説明できない場合は、特に注意が必要です。

(本稿は、ナイジェル・カンバーランド著、児島修訳『お金持ちがしている100の習慣』を抜粋、再構成したものです)

ナイジェル・カンバーランド(Nigel Cumberland)
作家、リーダーシップ・コーチ
1967年、イギリスのヨーク生まれ。ケンブリッジ大学卒業。世界最大級の人材サービス会社Adeccoや世界3大ミシン糸メーカーCoats plcで財務部長を務めた。シルクロード・パートナーシップの共同創立者。ロンドンとドバイを拠点に、同社を通じて企業幹部を対象にリーダーシップ・コーチングやメンターリングをおこなう。ハーバード大学メディカル・スクール付属コーチング養成機関の創立研究員でもある。これまで香港・ドバイ・ブダペスト・サンチアゴ・上海・ドバイで暮らし働いた経験から人生で成功するヒントを得た。これまでに出版した8冊の著書は、ドイツ・中国・ポルトガル・スペイン・ロシア・チェコ・スロバキア・ルーマニア・ドバイをはじめとする中東諸国・ブラジルなどの各国で翻訳されている。『成功者がしている100の習慣』(児島修訳、ダイヤモンド社)が日本でもベストセラーになっている。
児島 修(こじま おさむ)
英日翻訳者
1970年生まれ。立命館大学文学部卒業(心理学専攻)。訳書に『成功者がしている100の習慣』『DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール』(以上、ダイヤモンド社)、『やってのける』『自分の価値を最大にするハーバードの心理学講義』(以上、大和書房)などがある。