お金持ちはどんな行動パターンと思考様式を持っているのか?
お金持ちだけが知っている、真の豊かさの正体とは!?
『お金持ちがしている100の習慣』ではそのような疑問に答える「お金持ちの行動パターンと思考様式」を解き明かしています。著者は国際的に活躍するイギリスのコーチング第一人者であり、数多くのクライアントにコーチングをおこなってきました。成功者の習慣についてまとめた『成功者がしている100の習慣』は6万5000部突破のベストセラーとなっています。
本書では、その経験から導き出したお金持ちに共通する100の習慣を紹介しています。
「あなたはなぜお金持ちになりたいのか」本書のアドバイスはこの問いからはじまります。しっかりと目標設定をし、紹介されている習慣を実践することが、お金持ち、そして真の豊かさへの近道です。
この連載では、本書に紹介されている100の習慣を特別に抜粋し、お金持ちになる人、ならない人の思考や行動のパターンを解明。習慣のポイントだけでなく、どのように実践すればよいか、ワークなどをまじえ具体的な方法を紹介します。
お金持ちになる人は現金の強みを理解していて、
お金持ちにならない人はただ現金を持ち続ける
「現金は王様(キャッシュ・イズ・キング)」という言葉があります。たしかに、ある意味で現金は最強です。しかし、この王様は必ずしも裕福だとは限りません。20年前なら、銀行にお金を預けておけば、年間5%もの高金利のおかげで預金はどんどん増えていきました。何もしなくても、それだけでお金持ちへの階段を上ることができたのです(ただし厳密には、物価もそれに合わせて高騰していたため、銀行の残高が増えた分だけたくさんモノが買えるようになったわけではありません)。
しかし、現在では事情が異なります。預金金利はとても低く、ゼロに近いこともあります。銀行に預けているお金は、置き忘れた荷物のようなものです。つまり、手元に戻ってきたとき、置き忘れたときの状態とまったく変わっていないというわけです。
たしかに現在は物価上昇率も低いかもしれませんが、わずかな利息しか得られないのであれば、それによる恩恵もほとんど受けられません。
リターンが低くても、お金を現金で持っていることは、投資で損をするリスクに比べれば安全だと思うかもしれません。実際、それが当てはまる場合もあります。ただし、現金には問題があります。それは、ただ現金を持っているだけでは、決して大金持ちにはなれないということです。現金は、その場では回転しているが、決して前進することはないコマのようなものです。
それに対し、リスクとは報酬です。リスクが高ければ高いほど、大きな報酬が得られる可能性も高くなります。
「物事が計画通りにいかないときに備え準備をしておくことが重要だ。
1回の失敗ですべてを失ってしまわないように、リスクに柔軟な対処ができる仕組みを構築せよ」
実践しよう
■現金をどれくらい保有すべきか?
どのくらいの現金を保有するかは、とても個人的な問題です。ですから、私はあなたの代わりに金額を答えることはできません。それでも、私は長年の経験を通じて、次のような原則を学びました。
・もし今、現金の有意義かつ生産的な使い道があるのなら、それを実行する。そうでない場合は、普通預金口座に貯金し、使うべきときに引き出す。
・総資産を増やしたいのなら、資産を現金で保有するのは良くない選択である。総資産を増やす必要がないのなら、銀行に預けるのは理想的な選択肢になりうる。
・リスクを嫌う人は、投資に資金をすべてつぎ込むのはストレスが大きすぎると感じるかもしれない。その場合、ある程度は現金で保有しておくことが望ましい。
・「万が一に備える」という言葉は、真実を表している。ありふれたアドバイスだが、緊急時のためにある程度のお金は現金で持っていたほうがよい。
・借金をするより、現金を使ったほうが賢明な場合が多い。新車を買うとき、現金があるのにローンを組む必要はあるだろうか?
現金をどう扱うかについては、お金がない人にとっては裕福な人だけの問題のように思えるかもしれません。しかし、それは正しくありません。お金持ちがしている習慣を取り入れ実践すれば、毎月の支払いに追われる状態を抜け出し、自由に管理できるお金を持てるようになるはずです。頑張りましょう!
(本稿は、ナイジェル・カンバーランド著、児島修訳『お金持ちがしている100の習慣』を抜粋、再構成したものです)
作家、リーダーシップ・コーチ
1967年、イギリスのヨーク生まれ。ケンブリッジ大学卒業。世界最大級の人材サービス会社Adeccoや世界3大ミシン糸メーカーCoats plcで財務部長を務めた。シルクロード・パートナーシップの共同創立者。ロンドンとドバイを拠点に、同社を通じて企業幹部を対象にリーダーシップ・コーチングやメンターリングをおこなう。ハーバード大学メディカル・スクール付属コーチング養成機関の創立研究員でもある。これまで香港・ドバイ・ブダペスト・サンチアゴ・上海・ドバイで暮らし働いた経験から人生で成功するヒントを得た。これまでに出版した8冊の著書は、ドイツ・中国・ポルトガル・スペイン・ロシア・チェコ・スロバキア・ルーマニア・ドバイをはじめとする中東諸国・ブラジルなどの各国で翻訳されている。『成功者がしている100の習慣』(児島修訳、ダイヤモンド社)が日本でもベストセラーになっている。
英日翻訳者
1970年生まれ。立命館大学文学部卒業(心理学専攻)。訳書に『成功者がしている100の習慣』『DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール』(以上、ダイヤモンド社)、『やってのける』『自分の価値を最大にするハーバードの心理学講義』(以上、大和書房)などがある。