インフレの新たな悩みの種、海運コストの高騰Photo:Scott Olson/gettyimages

 通常であれば完成品価格のほんの一部である輸送コストが、ここにきてサプライチェーン(供給網)の新たな障害になっている。すでに原料・人件費の高騰に苦しむ企業にとってはさらなる逆風だ。

 企業首脳からは、輸送コストが2023年まで高止まりするとの声も聞かれる。

 輸送コストはサプライチェーンの各段階で発生する。世界各国の製造拠点で原料加工が行われる中、鉄鉱石から鉄鋼、部品、完成品に至るまであらゆるモノについて移動を伴うためだ。海運コンテナ船の運賃は全般的に値上がりしており、トラック運転手は不足している。ガソリン価格も、今年早い段階における大方の予想よりも高い。