コロナ禍で皆さんの営業は、どのように変化しましたか?「直接面会できない」「商品・サービスを見せられない(伝えられない)」「相手先の会社や個人の雰囲気・空気がつかめない」「直接相手を訪ねていくことで示せていた誠意が伝わらない」など、これまでの方法ではうまくいかず、悩んでいた時期もあるでしょう。しかし、その反面、営業成績が落ちるどころか、伸ばしている人がいることも承知のはず。何が違うのでしょうか。その違いは、すでに7年読み継がれている本書『「3つの言葉」だけで売上が伸びる質問型営業』で明かされています。そして、オンライン営業のスキルを加えてパワーアップしたのが、『[新版]「3つの言葉」だけで売上が伸びる質問型営業』。本書よりいつの時代もどんな業種でも結果を残す営業スキルを伝授します。今回お話しする内容は、著者自身の経験に基づく成功談ですが、大事なポイントは、営業マンだけが困っているわけではなく、「知りたい」「学びたい」「買いたい」お客様も同じ境遇であることを認識することです。
今までの面会とオンラインでは何が違うか?
コロナ禍の状況になり、私自身、営業スタイルを変えざるを得ませんでした。これまでは、質問型営業を企業に指導するのに、企業先に出かけていました。個別のグループ研修などは、当社の研修室に来ていただいておりました。これらが、すべてストップになったのです。企業研修の多くがキャンセルになりました。
そこで、個別のグループ研修も企業研修もオンラインに切り替えることにしました。しかし、私には、このような体験が以前にもあったのです。それは、20年前にIT化が進みだしたとき、HPやメールマガジンで営業活動を行った経験です。
私はこの頃、コーチングをビジネスとして行っていましたが、HPやメールマガジンで広告宣伝を行い、普及するという方法を取りました。問い合わせは日本全国をはじめ、アメリカやヨーロッパに住む海外の日本人からも何件かありました。
当時は、電話かスカイプでの音声で対応するしかありませんでした。それ以前は対面での対応でしたが、電話かスカイプの音声だけで営業、契約、コーチングのすべてをこなしたのです。
最も重要な契約さえも電話だけですべて行い、金銭のやり取りも、請求書と振り込みだけで済ませたのです。
最終的にクライアントの方々には、1年近くにわたるコーチングを一度も面会せずに電話だけで行って成果を上げてもらい、お互いに満足のいく状態で終了しました。
電話・スカイプでは、常に相手の課題や問題を解決するために時間を使いました。このときに使っていた方法が、質問型営業だったのです。質問で相手の目標、課題を引き出し、さらにそれらの障害になっているものを聞き出し、解決法を聞き出し、一緒に解決するための時間としていました。
その内容に納得した相手は、私のクライアントになりました。そして、コーチングを始めた後も、質問型でクライアントの課題を解決していきました。
当時、コーチングを行ったクライアントの集まりを、年に1回横浜や京都で行っていましたが、そのときに初めて直に対面する人が何人もいました。
このコーチングビジネスでは、お客様が私のコーチングの効果にほれ込んでくれ、このビジネスをしたいと言ってくる人が出てきました。そのスタッフにも電話、スカイプでの営業方法、契約方法、コーチング法を指導して、コーチングビジネス一本だけでやっていけるようにもなっていました。
そのコーチングビジネスを6年ほどやっていましたが、リーマンショックのときに、質問型営業へと仕事を切り替えました。それは、ある会社から私が電話などで行っているコーチングの営業方法を教えてほしいという依頼を受けたからです。その仕事を引き受けて指導しているうちに、世の中には私のやっている営業が必要で絶対的に役立つものと感じたのです。これが、質問型営業のスタートです。
このような経験を経ていた私は、コロナ禍でのオンラインに切り替えても、一切違和感がありませんでした。以前、音声だけで仕事をしていた私にとって、Zoomのような映像と音声でやり取りできることが非常に便利でありがたいと思うほどです。
むしろ、企業先で研修を行うために全国を回っていた私にとって、Zoomは家に居ながらにして、研修ができる便利なツールでした。企業も個人もそうせざるを得ないことは、私にとって必然でした。
やがて、個人のグループ研修をオンラインに移行して、さらに企業研修も復活したものからすべてオンラインで行うようになり、現在に至っています。研修だけでなく、打ち合わせやプレゼンテーションなどもすべて、それで行っています。結果として、当社の業績も上がっているのです。
*本原稿は、青木毅著『[新版]「3つの言葉」だけで売上が伸びる質問型営業』から抜粋、再編集したものです。