米国がオーストラリア、英国との間で合意した安全保障の枠組み「AUKUS」に対するフランスの反発が強まっている。AUKUSの誕生によって、フランスはオーストラリア向けの利幅の大きい潜水艦建造契約が破棄されたからだ。フランス側は、米バイデン政権が同盟国であるフランスに重要な外交政策の方針を伝えていないことを批判ししている。フランスのジャンイブ・ルドリアン外相は19日、問題を受けて呼び戻した駐米及び駐豪の両大使と「現在の危機的状況がもたらす戦略的影響」について協議した。米仏両国当局者らによれば、エマニュエル・マクロン仏大統領も今後何日かのうちに、ジョー・バイデン米大統領とこの問題で話し合う予定だという。こうした動きはAUKUSに対するフランスのいら立ちの深刻さを示している。ルドリアン外相は、AUKUSをめぐるフランスの怒りについて、性急で混乱が目立ったバイデン政権による米軍のアフガン撤退に対する同盟諸国の反発と同種のものだとの見解をし示した。
豪原潜問題の米仏対立、中国脅威論に温度差
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