コロナ禍からの企業業績の回復は、勝ち組と負け組の格差が拡大して「K字型」に引き裂かれていくという二極化の議論が強まっている。そこで、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回は大塚ホールディングスやエーザイなど「製薬」業界5社について解説する。(ダイヤモンド編集部 笠原里穂)
エーザイは四半期2割増収
塩野義製薬は減収
企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下の製薬業界5社。対象期間は21年4~6月の直近四半期としている。
各社の増収率は以下の通りだった。
・大塚ホールディングス
増収率:7.3%(四半期の売上収益3820億円)
・エーザイ
増収率:20.1%(四半期の売上収益1989億円)
・協和キリン
増収率:4.2%(四半期の売上収益839億円)
・塩野義製薬
増収率:マイナス3.4%(四半期の売上収益690億円)
・小野薬品工業
増収率:16.6%(四半期の売上収益874億円)
製薬5社中4社が四半期増収となった。中でもエーザイは2割強の高い増収率を記録している。一方で、塩野義製薬は唯一四半期減収となっている。
2社の明暗が分かれた要因とは何だったのか。次ページ以降で詳しく解説する。