米国の長期の予想インフレ率
(公表開始〈1999年3月末〉から
今年6月末までのCIEの平均値)

米国の長期の予想インフレ率(公表開始〈1999年3月末〉から今年6月末までのCIEの平均値)*CIEは様々なインフレ予想指標から抽出された長期の基調的なインフレ予想指標 出所:米連邦準備制度理事会(FRB)ホームページ

 日本銀行は2%の物価安定目標の達成を見通せずにいるが、目標の変更は考えていない。2%はグローバルスタンダードであり、それを目指すことが長い目で見た為替レートの安定に資するから、というのだ。その背景には購買力平価説がある。

 購買力平価説では、内外通貨の購買力が釣り合うように為替レートが決まる。通貨1単位の購買力は1/物価で表せるので、自国物価/外国物価から為替レートが決まる。実際、米国に比べ日本のインフレ率は低く、長い目で見ればドル円も円高基調なので、長期的には購買力平価説が成り立つとしてもよかろう。この場合、インフレ率が将来にわたって内外で同じだと想定できれば為替レートは安定する。つまり、長期的な予想インフレ率の動きが重要となる。