――いろいろな仕事を手掛けていた中で、靴の生産に携わろうとした理由はなぜですか。

社長 タイにいた時の私の友人から、これからはミャンマーでも靴の需要が増えるから製造に関わるといいとアドバイスされました。彼が言うには、その当時、まだ靴の工場がミャンマー全土でも9つしかなかったので、まだまだ参入余地があるとのことでした。

――なぜその友人の方は、その当時これから靴の需要が増えると予想したのですか。またその当時、それほど靴の工場がなかった理由はなぜですか。

社長 そもそもミャンマーでは、皆が靴を履くわけではありません。多くの人は今でもサンダルを履いています。ただ、そのころから外国のファッションが少しずつ入り始めて、それまでの民族衣装からズボンを履くようになり、それに合わせてサンダルから靴を履くようになり始めたからです。ちょうど私がこの事業に参入した2005年は、まだその変化が起き始めた頃だったので、まだまだこれから需要が増えると予想されていましたし、また靴を供給する工場も限られていたのです。

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ロンジーにサンダル姿のミャンマーの人たち。
Photo:Japan Asia Strategic Advisory

 ミャンマーにおいては、ヤンゴンなどの都市部でもロンジーと呼ばれる巻きスカートのような民族衣装を着ている割合が高い。筒状の布の中に入って腰のところで止める簡単なつくりだが、涼しくかつ手軽なのでとても着心地がいいのだ。一方で、大きなショッピングセンター等が建設され始めた都心部では、若い世代を中心に少しずつ外国のファッションが浸透し始めてきている。今後、より対外的なつながりが増えるにしたがって、人々のファッションに対する意識もより変わっていくように思われる。

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