コスモスPhoto:Diamond

本文コロナ禍からの企業業績の回復は、勝ち組と負け組の格差が拡大して「K字型」に引き裂かれていくという二極化の議論が強まっている。そこで、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回はウエルシアホールディングス、マツモトキヨシホールディングスなど「ドラッグストア」業界6社について解説する。(ダイヤモンド編集部 笠原里穂)

ドラッグストア業界
6社中5社が四半期増収

 企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下のドラッグストア業界6社。対象期間は21年3月~21年6月の直近四半期(ウエルシアホールディングス、コスモス薬品、ツルハホールディングス、スギホールディングスは21年3~5月期、その他2社は21年4~6月期)としている。

 各社の増収率は以下の通りだった。

・ウエルシアホールディングス
 増収率:7.0%(四半期の売上高2489億円)
・コスモス薬品
 増収率:マイナス3.5%(四半期の売上高1847億円)
・ツルハホールディングス
 増収率:9.3%(四半期の売上高2354億円)
・スギホールディングス
 増収率:3.4%(四半期の売上高1552億円)
・マツモトキヨシホールディングス
 増収率:6.8%(四半期の売上高1375億円)
・サンドラッグ
 増収率:4.7%(四半期の売上高1642億円)

※ツルハホールディングス、スギホールディングスは最新決算(21年6~8月期)が発表されているが、本稿では対象期間をそろえるために21年3~5月期決算の数字を用いている。

 ドラッグストア業界6社の四半期増収率(前年同期比)は、6社中5社でプラスとなった。コスモス薬品が唯一、四半期減収となっているが、数字の背景を見ると実はコロナ禍でも売り上げ好調な「勝ち組」企業といえることが分かる。

 その理由とは何か。次ページ以降で詳しく解説する。