コロナ禍からの企業業績の回復は、勝ち組と負け組の格差が拡大して「K字型」に引き裂かれていくという二極化の議論が強まっている。そこで、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回は日本電産、村田製作所などの「電子部品」業界6社について解説する。(ダイヤモンド編集部 笠原里穂)
電子部品6社は
2~3割超の大幅増収
企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下の電子部品業界6社。対象期間は21年4~6月の直近四半期としている。
各社の増収率は以下の通りだった。
・日本電産
増収率:32.8%(四半期の売上高4475億円)
・村田製作所
増収率:34.5%(四半期の売上高4396億円)
・京セラ
増収率:32.7%(四半期の売上高4207億円)
・TDK
増収率:35.8%(四半期の売上高4201億円)
・オムロン
増収率:28.5%(四半期の売上高1882億円)
・日東電工
増収率:24.7%(四半期の売上収益2037億円)
電子部品業界6社の四半期増収率(前年同期比)は、全てプラスだった。いずれも2~3割超の大幅増収である。
各社が好業績に至った要因とは何だったのか。また6社とも高い増収率を記録しているが、コロナ前と比較した場合、特に「勝ち組」といえる企業はどこなのか。次ページ以降で詳しく解説する。