コロナ禍からの企業業績の回復は、勝ち組と負け組の格差が拡大して「K字型」に引き裂かれていくという二極化の議論が強まっている。そこで、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回はキヤノン、ニコンなどの「カメラ/光学/複合機」業界4社について解説する。(ダイヤモンド編集部 笠原里穂)
ニコン四半期100%超の増収も
「真の勝ち組企業」は別にいる?
企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下のカメラ/光学/複合機業界4社。対象期間は21年4~6月の直近四半期としている。
各社の増収率は以下の通りだった。
・キヤノン
増収率:31.0%(四半期の売上高8819億円)
・ニコン
増収率:104.4%(四半期の売上収益1323億円)
・HOYA
増収率:44.5%(四半期の売上収益1580億円)
・富士フイルムホールディングス
増収率:27.7%(四半期の売上高5827億円)
カメラ/光学/複合機業界4社の四半期増収率(前年同期比)は、4社ともプラス。全て2ケタ以上と高い増収率を記録する中でも、104.4%と飛びぬけて高い数字をたたき出したのがニコンだ。
しかし、これらの数字の背景をひも解くと、売り上げの面で「真の勝ち組企業」は別にいることが分かる。真の勝ち組企業はどこなのか。その理由とは。次ページ以降で詳しく解説する。