近年、記録的豪雨により、広範囲で水害や土砂災害が相次いでいる。また、河川が急速に増水したり、堤防が決壊・氾濫して多大な被害が発生したりするケースも増加している。このような災害時には少しの油断が命取りにもなり得ることから、迅速で正確な対応をすることが重要だ。本稿では、このような水害被害を最小限にするために、今から対策しておくべきことや知っておくべきことについて解説していく。(フリーライター Sayah)
自分たちの身は自分たちにしか守れない
近年10万ミリをはるかに超える豪雨が増加傾向にある。中でも今年8月に発生した大雨は、平成30年7月の西日本豪雨を上回る、歴史的な記録的豪雨だといわれている(出典:西日本豪雨の約1.4倍か 今回の豪雨は歴史的総雨量になっている(森田正光))。
これに伴い、今年は各地で河川の洪水被害や土砂崩れなどの水害が相次いだ。では、実際にこれらの水害が身近で起きたとき、どのように対処すれば良いのだろうか。本稿では、水害が発生した際の対処方法や、深刻な被害を回避するための事前対策について解説する。
菅前政権が掲げて一躍注目の的となった「自助・共助・公助」という理念。その中の一つ「自助」とは、「災害発生時には、まずは自分自身の身を守る」という意味もある。自然災害をくい止めることはおろか、大規模な災害時には警察や救急隊、自衛隊の対応は追いつかない。そのため「公助」に頼りきるのではなく、私たちはまず自分たちの身を自分たちで守る必要がある。では、被害を最小限にとどめるために家庭でできることとはなんだろうか。