分配は重要だが、技術革新はもっと重要
「成長と分配の好循環」実現には
岸田文雄新政権は「成長と分配の好循環」をかかげ分配の是正を政策目標としているが、賃金を引き上げることも重要だ。
日本の実質賃金は、1970年度から95年度までの25年の間に2.9倍になった。しかし、95年度から2020年度の25年間では11.2%下落した。
実質資本装備率が前者の期間には2.35倍になったのに対して、後者の期間には7.6%低下したことの影響が大きい。それだけでなく、前者の期間に成長率を押し上げた技術進歩が後者の期間では成長率を引き下げた。
こうした異常事態からの脱却が急務だ。
分配の是正のためには
技術革新による成長が不可欠
岸田政権は、格差是正を重視し「分配なくして成長なし」としている。分配の是正は確かに重要な課題だ。それに向けての政策が展開されることを望みたい。
しかし、それだけでは十分ではない。