ダイヤモンド決算報#システムPhoto:123RF

コロナ禍からの企業業績の回復は、勝ち組と負け組の格差が拡大して「K字型」に引き裂かれていくという二極化の議論が強まっている。そこで、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回は富士通、NTTデータなど「システム/ソフトウェア」業界4社について解説する。(ダイヤモンド編集部 笠原里穂)

システム/ソフトウェア4社は
3社が増収、富士通は前年同期比微減

 企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下のシステム/ソフトウェア業界4社。対象期間は21年4~6月の直近四半期としている。

 各社の増収率は以下の通りだった。

・富士通
 増収率:マイナス0.1%(四半期の売上収益8020億円)
・NTTデータ
 増収率:11.3%(四半期の売上高5908億円)
・野村総合研究所
 増収率:8.8%(四半期の売上高1426億円)
・NEC
 増収率:10.9%(四半期の売上収益6519億円)

 システム/ソフトウェア業界4社の四半期増収率(前年同期比)は、4社中3社がプラスとなった。一方で、富士通は前年同期の売上収益をわずかに下回った。

 4社の中で富士通だけが四半期増収率がマイナスになっている。その要因は何だろうか。次ページからは各社の増収率の推移を紹介するとともに、その背景を解説する。