銀行業界初!北國銀行が
「退職金前払い制度」を導入する
本連載では過去数回にわたり、石川、富山、福井の北陸3県を地盤とする地方銀行、北國銀行(2021年10月から北國フィナンシャルホールディングスに移行。以下、北國FHD)の取り組みについて取り上げてきた。
その目的は、勘定系システムのクラウド化やキャッシュレス化などの先進的な施策を単に紹介するためだけではない。北國銀行の施策がいずれも、「顧客起点(カスタマージャーニー)の経営戦略を展開し、生産性向上を通じて北陸地域の活性化を実現する」という価値観に基づくものだということを理解し、経営とは何かを考察することにも狙いがある。
デジタルトランスフォーメーション(DX)が暮らしや働き方を変えるための手段である以上、北國銀行では、テクノロジー以外の改革でも、顧客起点の戦略が貫かれているはずだ。
そこで今回は、「退職金の前払い制度」の導入など、北國FHDが踏み出す組織・人事改革にフォーカスしたい。特に退職金前払い制度の導入は銀行業界初の試みなだけに、関係者の間では、北國FHDの決断に衝撃が広がっている。